140字小説 Vol.41

俺は激しく後悔していた。
最後まで見たら死ぬ呪いのYoutube動画は本物だったんだ。開いた瞬間、俺は金縛りになった。指も瞼も動かせない。動画の中で、髪の長い女性が、ゆっくりとこっちに近づいてくる。もう終わりだと思った瞬間〝彼〟が現れ、金縛りは解けて助かった。ありがとう、楽天カードマン。

タイトル:【収益化の弊害】


「なんだこれ?」
届いた書留を夫が開くと、中身はご祝儀袋だった。私も首を傾げた。私達はもう結婚7年目なのに。だけど差出人である先輩の名を見て、私は彼の言葉を思い出した。
『ごめん…金無くて結婚式行けない…俺が人気作家になったら、必ずお祝いするから』
ご祝儀袋には、100万が入っていた。

タイトル:【有言実行】


「…課長、その腕時計は?」
「あぁ、可愛いだろう?」
俺はキティちゃんの腕時計を誇らしげに見せた。
「え、えぇ…でも仕事場には…」
「そんな顔するな。娘からの誕生日プレゼントなんだよ」
「あ、なるほど」
部下は微笑んでくれた。まぁ、娘なんていないんだが。まだまだ、世の中はポイズンだぜ。

タイトル:【言いたい事も言えない世の中】


不思議な本があった。
カバーは真っ白で、タイトルすら無かった。中身も、全ページが白紙だった。
「それは完璧な本です」
「完璧?」
「はい。あらゆる表現規制の声に忖度した、誰も傷つけない本です」

数年後、その本は発禁となった。
444というページ数が、死を連想させて不快だと言われたからだ。

タイトル:【創作の死】


和装に身を包み、背筋の伸びた義祖父は、老齢ながらも実に凛々しい。
「僕も義祖父さんのように、良い歳の取り方をしたいものです」
義祖父は首を振り、自室に戻ると、グラサンにパーカー姿で出て来た。
「良い歳の取り方とは、人生を楽しむ心を、忘れない事じゃろ?」
最近HIP-HOPにハマったそうだ。

タイトル:【クオリティ・オブ・ライフ】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

「君に、この密室殺人の謎を解いて欲しい」
突如、同居人のハッカーに、謎の解決を依頼された女子高生。
被害者は、同居人の妹。
事件は一年前。
犯人は、未だ捕まっていない。
容疑者は、かつて、女子高生の窮地を救ってくれたハッカー集団。
誰が、なぜ、どうやって、同居人の妹を殺したのか…。
謎を解決した時、彼女は、自身のトラウマと向き合う事になる。

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