140字小説 Vol.40

バージンロードを歩く親友の姿は、この世の誰よりも綺麗だった。今日は何回、親友に『おめでとう』と言っただろう。幸せそうな親友と目が合う度、笑顔を返した。

帰り道、私はコンビニで水を買い、公園のベンチに腰かけて、独り泣いた。今日、彼の隣であのドレスを着ているのは、私でありたかった。

【笑顔の裏側】


ルンバが壊れたので、廃棄場所に置きにいった。去り際に、涙が溢れた。仕事が出来なくなったからといって、ゴミとして捨てられるこのルンバに、自分を重ねてしまったのだ。雨の中、俺はルンバを拾い上げ、胸に抱き、人目もはばからず泣き叫んだ。ここまで説明して、ようやく警察は俺を解放してくれた。

【憐憫】


ダメだダメだ…!
書けたはいいが、読み返すほどにつまらなく感じる。俺は尊敬する大作家さんに助言を求める事にした。
『どうしたら納得のいく作品を書けるのでしょうか?』
『簡単だ。私の言う通りにしてみなさい』

俺はコンビニに走り、ウォッカを買って一気に飲んだ。俺の作品が、傑作に化けた。

【弱気への特効薬】


珍しく人事の人と飲んだ。
「案の定と言いますか…最近、退職者が出ました」
「あぁ…例の案件、大炎上したからな…誰が辞めたの?」
「田島さんです」
「え?田島って、案件に関わって無いよな」
「炎上案件は、外から見ている人の方が、逆に恐怖を感じる場合もあるようです。〝明日は我が身〟だと」

【危機管理能力】


クソ上司にはウンザリだ。
1発当てて脱サラしようと、ラノベを書く事にした。まず、勇者として召喚されて…
「勇者ってなに?」
息子が純粋な瞳で聞いてくる。
「悪い奴に負けない、勇敢な人の事だよ」
「じゃあ、パパは勇者だね!」
俺は泣きながら息子を抱きしめた。
パパ、上司になんか負けないよ。

【勇者の定義】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

盗撮され、それをネタに脅されている女子高生。
絶望から自殺を図る彼女に、通りすがりの男は言った。
「そのデータ、なんとか出来そうだ」
ハッカーを自称するその男は、有無を言わさず、事態の解決に乗り出した。
男の依頼のもと、集結するハッカー仲間。
女子高生は、次第に期待を膨らませる。
彼らなら、本当になんとかしてくれるかもしれないと。

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