140字小説 Vol.39

「ふぉぁああ!?」
服についてたテントウ虫に、悲鳴をあげる。俺は大の虫嫌いなのだ。そこでふと、思いついた。最近、性欲旺盛で困っている俺は、虫の動画を見れば萎えるんじゃないかと。これが、期待以上の効果だった。同じ悩みを抱える人は是非試して欲しい。俺は5日で虫に欲情するようになったから。

タイトル:【生存本能のバグ】


「僕、本気で漫画家目指すんで、学校辞めました。漫画の勉強に集中したいので」
なんて馬鹿な事をと周りは呆れたが、俺は彼の目の奥に、熱く固い意志を見た。
「頑張れよ。俺は応援してるからな」
「ありがとうございます!」
「お前なら、第二の手塚治虫になれるかもな」
「手塚治虫って誰ですか?」

タイトル:【愚者か大物】


「コレ下さい」
「彼女さんにですか?」
「あ、はい…そうなんです」
俺が照れ笑いを浮かべると、店員さんは優しく微笑んで、ヌイグルミを丁寧に梱包してくれた。次のデートで渡すのが楽しみだ。きっと喜んでくれる。LINEを開くが、なぜか彼女の宛先が無い。そうだ。先週フラれて、消したんだった。

タイトル:【消したい記憶】


『俺達で広告費100万集めて品川駅のパネルに好きな広告流そうぜ!』

ニートの俺がネット上で募集をかけると、意外とネット民達のノリは良く、すぐに彼らの力作と100万が手元に集まった。

俺はその金を下ろし、「これでようやく、母の手術代に届くよね?」と言って兄に渡した。最後までクズでごめん。

タイトル:【親不孝者】


「変だな…味がしない…」
コロナを確信した俺は内心歓喜していた。これで仕事を休める。

しかし、医者の「コロナではありません」というセリフに俺は激しく落胆した。医者は続ける。「おそらく、鬱による味覚障害です。仕事は休んでください。そして、大事な人と、穏やかな時間を過ごしてください」

タイトル:【心のSOS】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

持ち主を亡くしたTwitterアカウントは、永遠に更新されない。
そのはずだった。
交通事故で亡くなったクラスメートのTwitterアカウントが、ある日、投稿を再開した。
まるで、今も生きているかのように。
調べれば調べる程、他人にも乗っ取りにも不可能なその投稿の数々に、不気味さが増していく。
誰が、どうやって投稿しているのか。
あるいは、本当に、幽霊の仕業なのか。

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