140字小説 Vol.3

会社をクビになったと言えず、妻の弁当を、今日も公園のベンチで食べる。なんて惨めなんだ。無職の夫など、捨てられるに違いない。弁当を食べようと、包みを開くと、カードが落ちた。そこには一言、こう書かれていた。

『辛い時こそ、一緒にいようね』

大人になって初めて、声を上げて泣いた。

タイトル:【夫婦】


「面接が怖い?よく聞け就活生。面接はインタビューと思え。自分語りをあんな熱心に聞いてくれる場面、最初で最後だぜ」
「さすが武田先輩!」
「これでニートじゃなければな」
「しかも先月、彼女にフラれたらしい」
「童貞のままな」
「ビール追加でー!」
それでも、武田先輩は、今日も元気である。

タイトル:【クオリティ・オブ・ライフ】


泥棒をしていると、玄関で音がした。
まずい!
見つかる前に、俺は身を隠す。
「……いるんだろ?出てこいよ」と 家主の声。
バレている…だと!?
俺は観念し、家主の前に姿を現した。
「え!?」と驚愕する家主。
「え…?」と困惑する俺。

パトカーの中で、俺は考える。
え、毎日あのセリフ言ってたの?

タイトル:【ルーティン】


仕事帰りに空を見上げると、ベランダに佇む美女と目が合った。じっと俺の方を見つめている。それからは、その美女と見つめ合う時間が俺の密かな楽しみになっていた。

仕事帰り、美女のマンションの前に警察が来ていた。
「何かあったんですか?」
「ベランダで、首吊り死体が見つかったんです」

タイトル:【死体との蜜月】


朝 起きたら、俺のケツにネギが刺さっていた。しかも、全裸で。殴られたように頭がひどく痛む。戸締りはしている。当然、自室には誰もいない。一体誰がこんな事を…。ふと LINEが来ていた事に気付いた。
『昨夜はお前ん家で騒いで悪かったな。でもお前の一発芸、皆ドン引きしてたから二度とするなよ』

タイトル:【過ち】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

幸せ絶頂の新婚夫婦。
ある日、夫は家のPCの検索履歴に、有り得ないものを見た。
『夫 殺し方』
嘘だ。何かの間違いに違いない。
そう信じる一方で、日々殺意を増していく検索履歴。
夫はついに、妻にその真実を問いただす事にしたが…。

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