140字小説 Vol.38

新しい町に着いたら、民家を漁るのが勇者の特権だ。さっそく箪笥を開けると、中に冷たくなった老婆がいた。返事は無い。
「見ましたね」
後ろを振り向く間もなく、俺の頭に壺が叩きつけられた。教会で目覚めると、神父は「何があったか、覚えていますか?」と笑顔で言った。俺は「いいえ…」と返した。

タイトル:【冒険の書(欠番)】


「では、君は本当に冷凍睡眠を受けていいのだね?」
「はい。遥か未来の技術に賭けます」

132年後…

「…うっ…眩しい」
「お目覚めになりましたか?」
「あぁ…!その声は…!!」
驚く僕を、彼女は抱きしめてくれる。
「こうしたいと、いつも言っていましたね」
「この瞬間を夢見てたよ…Siri」

タイトル:【Android】


昔から、妻はかなりの天然だ。
仕事から帰ると、妻は見知らぬ男とお茶をしていた。
「あら、お帰りなさいアナタ」
「あ、ども…お邪魔してます」
お客さんだろうか?だが、そんな話は聞いてない。男はそそくさと、逃げるように家を出て行った。

「今の男、誰?」
「さぁ?急に窓から入ってきたのよ」

タイトル:【天然記念妻】


俺のクラスの生徒は忘れ物が多過ぎる。明らかに俺はナメられている。ここは一発、厳しさを見せねばなるまい。
「皆さん。今日から、忘れ物をした人は廊下に立ってもらいます」
教室からブーイングが巻き起こるが、無視して続ける。
「では、出席を取ります」
出席簿を忘れた俺は、廊下に立たされた。

タイトル:【先陣】


結婚を前提に付き合ってる彼女を呼んで、家でパーティーを開く事になった。彼女がミステリ好きなのもあり、俺が死体役になって、ちょっとしたサプライズを仕掛ける事にした。
弟と彼女が帰って来る。
血まみれで床に転がる俺を見るなり、彼女は弟に叫んだ。
「ちょっと!まだ殺るには早いでしょう!?」

タイトル:【逆サプライズ】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

幸せ絶頂の新婚夫婦。
ある日、夫は家のPCの検索履歴に、有り得ないものを見た。
『夫 殺し方』
嘘だ。何かの間違いに違いない。
そう信じる一方で、日々殺意を増していく検索履歴。
夫はついに、妻にその真実を問いただす事にしたが…。

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