140字小説 Vol.32

「この度は弊社がご迷惑をおかけしてしまい…申し訳ありません…」
「誠意が感じられんなぁ…」
「誠意?」
「日本にはあるだろう?両手と頭を地面につける、伝統的な謝罪方法がさぁ…」
悔しさに歯を食いしばりながらも、俺は従った。
「この度は申し訳ありません!」
「うん、三点倒立じゃなくてね」

タイトル:【伝統的謝罪方法】


私が男と付き合うと、その人が死ぬ。大学の間にそれが3回起きた。私が愛する人は死んでしまうと皆に噂された。それでも恐れず私と付き合ってくれた4人目が今の旦那だ。

そして、私達の間に男の子が産まれた。でも、1年と半年後、最愛の我が子は死んだ。夫だけは今でも死なず、私の傍で微笑んでいる。

タイトル:【愛の行方】


妻と付き合い始めた経緯ですか?
高校の頃、カンニング疑惑で呼び出されたんですね。テストで、間違った箇所が隣の女子とぴったり一致してたんです。勿論、カンニングなんてしてません。ですが、あまりに息がぴったりで、これは運命だと感じましたね。ええ、その時僕を叱ってた先生が、今の妻です。

タイトル:【運命は自分で切り拓く】


昔から忘れ物が絶えない俺だが、最後の忘れ物が、まさかパラシュートだなんて。落下の最中、この雲海と青空があまりにも美しいから、悪くない死に方だと思えた。しかし、どうやら、俺の人生はもう少し続くらしい。忘れ物を抱えてダイブしてきてくれた友人の姿が、俺には天使に見えた。

タイトル:【万事休さず】


「オジさん、危ない所だったね☆」
「はぁはぁ…助かったよ…。き、君は?」
「魔法少女だよ☆」
「…えっと…失礼ですがおいくつですか?」
「41だよ☆」
「……」
「この仕事を始めて30年…。今じゃ同期で残ってるのは、アタシだけさね…」
紫煙をくゆらす彼女の背には、幾本ものステッキが在った。

タイトル:【背負う者】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

持ち主を亡くしたTwitterアカウントは、永遠に更新されない。
そのはずだった。
交通事故で亡くなったクラスメートのTwitterアカウントが、ある日、投稿を再開した。
まるで、今も生きているかのように。
調べれば調べる程、他人にも乗っ取りにも不可能なその投稿の数々に、不気味さが増していく。
誰が、どうやって投稿しているのか。
あるいは、本当に、幽霊の仕業なのか。

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