140字小説 Vol.31

「いらっしゃいませー!!!」
俺の声に、入ってきたサラリーマンは驚いていた。
店長にキツく言われてから意識してたんだけど、少し元気が良すぎたみたいだ。
サラリーマンは出ていってしまった。
あぁ、違う、きっと俺は疲れているんだ。
今ごろ気付いたんだ。
ここが電車であることに。

タイトル:【職業病】


『神絵師になる』
と毎日絵を描き始めたアカウントは、『下手くそ』の声にもめげず上達していき、フォロワーは遂に10万人を超えた。

が、ある日を境に更新が途絶えた

後日、机の前で孤独死している絵師が発見された。幸い、遺体が傷む前だった。死因は老衰。しかし彼の表情は、とても幸せそうだった

タイトル:【Always Beginning】


「呪いの市松人形はありませんか?」
俺はあらゆる手段を駆使して日本中から呪いの市松人形を集めた。そして噂通り、人形達の髪は日に日に伸びていった。

俺は歓喜した。

人形達から髪を根こそぎ収穫し、それを持って病院に駆け込んだ。
「先生、お願いします。この髪を俺の頭皮に移植してください」

タイトル:【呪いにもすがる思い】


近所の屋敷に、莫大な遺産を相続した盲目の未亡人が住んでいる。これはチャンスだ。今から懐に潜り込んでおけば、後々、美味しい思いを出来るに違いない。

「マダム。私は貴女の目になりたいのです」
「…貴方も、遺産目当て?」
「神に誓ってNoです」
マダムは笑う。
「心臓の音は、正直ね」

タイトル:【嘘の音色】


『30分に1人、人質を解放する』
強盗がそう告げてから3時間後、最後にエプロン姿の男が怯えた表情で店から出て来た。
同時に警官隊が突入する。中には、口を塞がれ、縛り付けられた強盗姿の男だけがいた。
「……しまった!!」
振り返ると、エプロンを残して、包囲網の外に走り去る男の背中があった。

タイトル:【カモフラージュ】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

幸せ絶頂の新婚夫婦。
ある日、夫は家のPCの検索履歴に、有り得ないものを見た。
『夫 殺し方』
嘘だ。何かの間違いに違いない。
そう信じる一方で、日々殺意を増していく検索履歴。
夫はついに、妻にその真実を問いただす事にしたが…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました