140字小説 Vol.30

「お前はここに残れ」
「断る!俺も一緒に最後まで…ウッ!」
俺は相棒の腹に鉄拳をめり込ませた。お前まで死地に向かう事は無い。
…おかしいな、相棒は地面を転げ回っている。起こし、再び鉄拳をめり込ませた。しかし、何発いれても失神しない。後日、実際には人は腹パンで気絶しないことを知った。

タイトル:【漫画脳】


愛犬が死んだ。私の孤独を支えてくれた、大切な家族だった。有給理由を書いて申請すると、案の定却下された。上司から電話だ。
『犬が死んで1日休みたい?何言ってるんだ?』
もう、いっそ辞めてしまおうか。
『家族だったんだろう?もっと休め』
枯れたはずの涙が、また溢れて、愛犬の遺影に落ちた。

タイトル:【忖度】


目標のモンスターを見つけた。肉を運んでいる最中らしく、隙だらけだ。俺達の奇襲は完璧で、狩りは一瞬で終わった。モンスターの巣を見つけると、そこには、お腹を空かせて親の帰りを待つ、赤ちゃんモンスターがいた。
「…なぁ」
「ん?」
「このモ○スターハ○ターの新要素、辛いんだけど」
「ね…」

タイトル:【M○NSTER HUNTER REAL】


いつもはパパと食べるのに…今夜は違った。
「変わった味だね。これ、何の肉?」
包丁についた血を無言で洗っているママを見て、寒気がした。
「…ねぇ、パパはどこ?」
「……さぁ?」
玄関の開く音。
「おーい、今帰ったぞ!」
僕とママは笑顔でお帰りなさいと言う。
「で、何の肉なの?」
「鹿よ」

タイトル:【珍しい肉】


人形は古ぼけた箱の中に厳重に保管されていた。
「この人形に触れた者は、一人残らずこの世を去っています」
皆が恐怖する中、僕は疑問に思った。
「それは言い切れるのですか?」
「はい」
「間違いなく?」
「はい」
「なるほど。では、この箱が最後に開かれたのはいつですか?」
「130年前です」

タイトル:【死の定め】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

講義室の机の中に、謎の履歴書が見つかった。
それは、自己PR欄の1行目のみ、『あ』で埋め尽くされていた。
余白には、32×10=320という、謎の数式。
それ以外は全て空白だった。
発狂した就活生による奇行か?
あるいは、何か明確な理由があるのか?
真相が判明したその時、〝彼〟は死を望んだ。

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