140字小説 Vol.29

「あの…そこ…私の席なんですけど…」
「あぁ!?俺が間違ってるってのか!?」
やれやれ。これだから映画館はイヤなんだ。
「君、上映前くらい静かにしたまえよ」
「あぁ!?なんだてめぇ!?」
僕は男の顎を殴り、気絶させる。
「さぁ お嬢さん、お席へ」
チケットを見ると、彼女の席は1列後ろだった。

タイトル:【殴られ損】


彼氏の部屋に長い髪の毛が落ちていた。
「ちょっと、この髪の毛誰の!?」
「え…ちょっと待って。俺、この部屋に女あげたことねぇんだけど…」
気味が悪いので、彼氏は部屋を引き払った。

「これからどうすっかな…」
「じゃあ、ウチ来れば?」
「…いいのか?」
頷く代わりに、俺は彼氏にキスをした。

タイトル:【幽霊と男達】


スマホに心霊写真が写るようになった。どこで撮っても、必ずうっすらと女の人の顔が写り込むんだ。気持ち悪くって、有名な霊媒師にお祓いを頼んだ。霊媒師は真剣な顔でスマホを睨んだ後、『喝ッ!』と言って、レンズに貼られてたシールを剥がした。必ず、悪戯した犯人に除霊料29800円を償わせてやる。

タイトル:【霊媒師の慧眼】


「連続児童殺害事件の犯人は、まだ捕まっていません」
先生は帰りの会で、くれぐれも一人で下校しないように、不審な大人には近づかないようにって言ってた。
僕と一緒に帰ろうよと声をかけると、アカネちゃんは「うん、いいよ」と嬉しそうだった。
おかげで、僕の趣味は、とても、やりやすくなった。

タイトル:【大人の思い込み】


『助けて!誰かぁ!』
アパートの住人が一斉に廊下に出ると、そこにはスピーカーがタイマーでセットされていた。 そんな悪戯が何度もあり、住人達はうんざりしていた。
「いやぁ!誰かぁあ!」
今じゃすっかりとお馴染の悲鳴を住人は気にも止めなかった。翌日 アパートの一室で他殺体が見つかるまでは。

タイトル:【下準備】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

男は、一人暮らしの女子大生を、ノートPCのWEBカメラから覗いていた。
女子大生がシャワーを浴びている間に、突然、包丁を持った強盗が侵入してくる。
彼女を救わねば。
しかし、自分の盗撮がバレるわけにはいかない。
一体どうやって、盗撮がバレる事無く、彼女に危機を知らせる?
葛藤する男の目の前で、強盗は突如、カメラの向こうでその姿を消した。
まるでイリュージョンでも見ているかのような謎に、盗撮犯である男は、ひたすら困惑する。
そして、自身に降り注ぐ悲劇を以て、その真相を知る事になる。

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