140字小説 Vol.28

昨日、妹と派手に喧嘩した。
未だ怒りが収まらないので、妹の歯ブラシで便所掃除してやろうと便座を上げたら…変だな、妙に綺麗だ。
「お兄ちゃん…ごめんね」
扉越しに妹の声。
「どうした急に」
「昨夜の歯磨き、変な味しなかった?」
全てを察した俺は、そのまま便器に向かって吐いた。

タイトル:【やられる前にやれ】


「パパの小説が国語の問題に出たの!『作者の気持ちを答えよ』って!パパはどんな気持ちだったの?」
「嘘をつくな」
「え?」
「よく話には聞くが、実は、そんな問題は普通あり得んのだ」
怯える私の頭にパパの手が乗る。
「嘘なんかに頼らず、いつでも気軽に私に話しかけなさい。学校は楽しいか?」

タイトル:【パパは文豪】


心臓が止まるかと思った。
家に入り、リビングに行くと、見知らぬ男が立っていたからだ。
「泥棒ぉおー!!」
そう叫ぶと、男は一目散に窓から出て行った。
全く、物騒な世の中だ。
俺は心の中でそう呟いて、タンスから物色することにした。

タイトル:【無限ループ】


「妻の浮気調査をして欲しい」
俺は、浮気調査には定評のある探偵に依頼した。
「お任せ下さい。必ず、調べ上げてみせますよ」
探偵は自信たっぷりだった。

そして数週間後。
「調査の結果、奥様は浮気していませんでしたよ」
「本当ですか!?」
「はい。ベッドの上で聞いたので、間違いありません」

タイトル:【浮気探偵】


奇妙な光景だった。
その作家は丹精込めて世に出した作品への批難をネット上から探し、それが多い程に喜んでいた。
「なぜ、自分の作品をボロクソに言われて喜んでいるのですか?Mなんですか?」
作家は答えた。
「だって、趣味が合わない人にまで届くことこそ、人気の証でしょう?あと、Mです」

タイトル:【もっと貶して】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:150円
読了時間目安:15~30分

人気の美人ゲーム実況Youtuber。
彼女には、実父殺害の疑いがあった。
しかし殺害時刻、彼女にはYoutubeでApexのライブ配信をしている、鉄壁のアリバイがあった。
証人は、配信の視聴者5000人。
彼女は一体どうやって、観衆が見守る中、実父の殺害を実行したのか?

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