140字小説 Vol.27

「私達にも拒否権があっていいと思います!」
その一言で、業界初の、アイドル側が握手を10人まで拒否できる握手会が開かれた。ファン達は、自分が拒否られたらどうしようと、怯えながら列に並ぶ。
10人目が拒否られた瞬間、会場は安堵の息で溢れ、アイドルは叫んだ。
「すみません!追加20人で!」

タイトル:【処刑会】


推理小説を読み終えたが、トリックは毒と針を使ったシンプルなモノだった。現実にそんな都合の良い毒があるだろうか?都合よく針が刺さって死ぬだろうか?
俺は『リアリティの欠片も無いご都合主義の駄作』とTwitterで呟いた。すると作者からリプがあった。
『実現可能であることは、実証済みです』

タイトル:【ノンフィクション作家】


小さな男の子が一輪のカーネーションを抱えて歩いていた。どうしてこんな所に子供が?不思議に思い、後ろ姿を目で追っていると、男の子は墓前に花を添えた。
「ママ、いつも見守ってくれて、ありがとうね!」

俺は、滲む視界の中で、スマホを取り出した。
「母さん?元気?いや……近い内、顔出すよ」

タイトル:【母の日】


ケンジはどちらかと言うと、顔が良い方ではなかった。頭が良い方でも、トークが特別上手いわけでもない。それでもケンジは、今までに5人の彼女を作り、その全てはナンパで捕まえたと言う。
「一体どんなトリックなんだ?」
俺がそう問うと、ケンジは一言、こう答えた。
「5勝829敗」

タイトル:【メンタル ヘラクレス】


「お前ってミステリマニアだよな」
「そうだよ」
「今までで一番、読者へのミスリードが上手かった作品って何がある?」
「そりゃ〝名探偵コナン〟一択だよ」
「あぁ…やっぱり?」
「うん。最終回でコナンが大人に戻った時、工藤新一じゃなかった衝撃は忘れられないね」

タイトル:【少し未来の会話】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

「君に、この密室殺人の謎を解いて欲しい」
突如、同居人のハッカーに、謎の解決を依頼された女子高生。
被害者は、同居人の妹。
事件は一年前。
犯人は、未だ捕まっていない。
容疑者は、かつて、女子高生の窮地を救ってくれたハッカー集団。
誰が、なぜ、どうやって、同居人の妹を殺したのか…。
謎を解決した時、彼女は、自身のトラウマと向き合う事になる。

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