140字小説 Vol.23

「でね、3泊4日で旅行に行くって言ったらこう言われたの『俺の飯はどうするんだ?』って」
「うわぁ出た!いるよね、そういう夫。そんなの無視して旅行いっちゃいなよ」
「うん…もう飽きたし、そうするね」
後日 彼女の家から夫の死体が見つかった。夫は首輪で繋がれ〝飼われていた〟様子だった。

タイトル:【何も出来ない夫】


「~以上が、御社を志望した理由です」
よし、練習通り言えたぞ。面接官は満面の笑顔だし、手応えアリだ!憧れの大企業に入れるかもしれない。ただ、面接官がずっと指で机を叩いているのが気になるな。
トン・トーン・トン……
これはまさか…モールス信号?
『ニゲロ ココ ハ ブラック キギョウ ダ』

タイトル:【笑みの裏側】


「アンタ、こんな日にチョコ持ってきたの?」
「こんな日だから、だよ」
こういうイベントには必ず準備する人だった。最愛の恋人を亡くしてからも毎年チョコを欠かさず供える彼女は、私の理想だった。
「やっと、お爺ちゃんに直接渡せるね」
涙を堪えながら、祖母の棺桶に、私はチョコを入れてあげた。

タイトル:【バレンタイン・デイ】


ケンジ君は1立方メートルの水槽を買いました。水で満杯にするのに、蛇口Aのみなら15分、蛇口Bのみなら20分かかります。蛇口AとBを同時に使った場合、水槽の中で眠らされているタカシ君の命は何分持つでしょうか?犯人と動機も合わせて答えなさい。
※タカシ君は、ケンジ君の姉が好きだったとします。

タイトル:【米花小 算数 問①】


「昔から、毎晩見る夢がずっと続いてるんだ」
「どんな?」
「朝起きてパン食って、学校に通う夢。で、日付も毎日進む。夢の中で眠ると、こっちで目が覚める。今夜は、気になってる加藤さんと日直の日なんだ」
「…案外、こっちが夢なのかもな」
「だといいな」

爆音が鳴り響く中、俺たちは銃を構えた

タイトル:【夢に見た日常】


【短編ミステリ小説 出版中】
価格:120円
読了時間目安:10~15分

講義室の机の中に、謎の履歴書が見つかった。
それは、自己PR欄の1行目のみ、『あ』で埋め尽くされていた。
余白には、32×10=320という、謎の数式。
それ以外は全て空白だった。
発狂した就活生による奇行か?
あるいは、何か明確な理由があるのか?
真相が判明したその時、〝彼〟は死を望んだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました