140字小説 Vol.18

次女がスマホ中毒だ。
声をかけても生返事で、ずっとスマホを眺めてる。食事中までその調子なので、流石に叱った。お風呂の後も、ソファに寝転がってスマホを眺めてる。Youtubeでも見てるのかな? 長女が私に耳打ちする。
「好きな子からの返信、ずっと待ってるんだよ」

次女の顔に、笑顔が灯った。

タイトル:【灯火】


無人島に男女二人でいれば必ずくっつくって言うだろ?あれは嘘だね。経験者である俺が言うんだから間違いない。「アンタとだけは死んでも嫌!」だってよ。そして、あの子は見事に島から脱出したんだ。俺を置いて。誰か、俺を助けに来てくれ。頼む。

骸骨の傍にあった日記は、そこで終わっていた。

タイトル:【非モテの極み】


「お箸はおつけしますか?」
「はい」
店員はバーコードを読み取る。
「お箸はおつけしますか?」
「はい」
店員はレジ袋に商品を入れる。
「お箸はおつけしますか?」
「はい」
3度も聞いてくるなんて、相当お疲れらしい。労いの言葉をかけると、店員は嬉しそうに微笑んだ。お箸は入ってなかった。

タイトル:【深夜バイト】


公園の茂みに、段ボールハウスがあった。開くと、中ではスーツを来た男がPCを叩いていた。
「なぜこんな所でお仕事されてるんですか?」
「在宅勤務してると、妻の目線が辛くて」
「喫茶店に行かれては?」
「お小遣い 少ないので」
退去させるのが俺の仕事だが、その一言が、どうしても言えなかった。

タイトル:【Homeless】


「絞首刑で死ななかった者は、刑は執行されたとして、釈放されるらしい」
それを聞いた死刑囚は、以来、死ぬ気で首を鍛えた。
来る日も来る日も、独房の中で鍛え続けた。
みるみる太く逞しくなっていく彼の首。
そして、死刑執行の日は訪れた。
「では、そこの電気椅子に座りなさい」

タイトル:【罰からは逃げられない】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

持ち主を亡くしたTwitterアカウントは、永遠に更新されない。
そのはずだった。
交通事故で亡くなったクラスメートのTwitterアカウントが、ある日、投稿を再開した。
まるで、今も生きているかのように。
調べれば調べる程、他人にも乗っ取りにも不可能なその投稿の数々に、不気味さが増していく。
誰が、どうやって投稿しているのか。
あるいは、本当に、幽霊の仕業なのか。

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