140字小説 Vol.59

描いた絵を投稿していると、憧れの絵師さんがイイネをくれた。

私はそれが嬉しくて、沢山絵を描いた。

自分でも、昔より大分上手くなったと思う。フォロワーさんもかなり増えた。でも、憧れの絵師さんは、いつの間にか私にイイネをくれなくなっていた。

私はそれが嬉しくて、もっと沢山絵を描いた。

【ライバル】


俺の目の前で、おっちゃんがひったくりにあった。俺は急いで犯人を追いかけ鞄を取り返してやった。

後日 就活の面接に向かうと、あの時のおっちゃんがいた。志望会社の役員だったんだ。
「君のような若者と私は働きたい」と言われ内定ゲット。その夜、俺はひったくり犯を演じてくれた友人と祝杯をあげた。

【企業研究】


彼はスマホを眺めて、愛しそうに微笑んでいる。
ちょっとだけ、嫉妬してしまった。そんな微笑みを向けてくれるのは、私に対してだけだと思ってたから。
「ねぇ、何見てるの?」
「え?あー…コレ」
彼が照れ臭そうに画面を向けると、私の頬は熱くなった。画面には、雪の中の、私の写真が映ってたから。

【ジェラシー】


映画館のチケット売り場でバイトしてると、カップルがやってきた。
「ここと、ここの席でお願いします」
妙だなと思った。空いてるのに、敢えて席を離して指定したからだ。
「いいんです。隣同士で座っちゃうと、ドキドキして映画に集中できないんです」
俺は思った。
これで時給900円は安すぎると。

【割に合わない仕事】


「僕と結婚して下さい」
「嬉しい…夢みたい…」
「頬っぺたでも抓ってみるかい?」
抓ってみると、目が覚めた。
え、本当に夢?
嘘でしょ…?
抓らなければよかった…。

「起きて~!朝ご飯できたぞ~」
リビングから、夫の声がする。
もう少しあの時の幸せに浸っていたかったけど、まぁ、いいか。

【夢の跡】


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これら140字小説はどのように発想し、どのような工夫を込めて140字以内におさめているのか、pixivFANBOXにて作品毎に解説するコーナーを開設しました。

もしご興味があれば、覗いてくださると嬉しいです☺

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