140字小説 Vol.58

ぐっ……滑って打った頭から、血が止まらない…。
まずいぞ…意識が薄れてきた。救急車は呼べたが、間に合うだろうか…。万が一……俺が死んでも家族が処理に困らないよう…PCや銀行のパスワードを遺さねば……ペン……無い……仕方ない、血文字で残すか……パスは…最愛の…弟の…名……『masayuki』

【濡れ衣】


級友が次々と卒業証書を受け取る姿に、涙が溢れてきた。もう皆と一緒に登校したり下校する事も無いんだ…。

出来る事なら、私も一緒に卒業したかった。でも、私は留年を選んだ。

私にはやり残した事があるから。彼氏を作って一緒に登校する夢は、一生で今しか叶えられない。

青春の延長戦が、始まる

【やり残した事】


「兎と亀の話は妙だよママ」
「どうして?」
「そもそも亀はなぜ不利な勝負を仕掛けたんだろ?兎が寝たのも亀に都合が良すぎる。亀が仕組んでたんじゃ…」
「そうね。でもママはこう思うの」
「?」
「亀は万年だから…きっと、兎が生きてる内に遊びたかっただけなのよ。大事なのは、勝敗じゃないの」

【命短し走れよ兎】


ある、雪の日の事だ。
チャイムに出ると、お隣の奥さんが立っていた。
「あの…作りすぎちゃったんで、よければ」
そう言って奥さんは、抱っこしている赤ちゃんを僕に差し出した。
「はは…冗談ですよね?」
「……」
「冗談ですよね?」
奥さんは俯いて、無言で帰っていった。
もう、5年も前の話だ。

【お裾分け】


「今日は皆に転校生を紹介する…が、その前に転校生の鈴木さん、君に言っておく事がある」
「なんですか先生?」
「パンを咥えながら登校するな。朝食は家でとりなさい」
「はぁい」
「あとバイク通学は禁止だ。いいな?」
「はぁい」
「よし。じゃあ君の席は、今朝病院に運ばれた安田の隣だ」

【曲がり角にご注意を】


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これら140字小説の強化版のつもりで執筆しました。
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ここまで楽しんでいただけた方には、きっとこちらも楽しんでいただけるかと思いますので、お試しいただけると嬉しいです☺

『あなたの命日』というタイトルのYoutube動画があるらしい|方丈 海|pixivFANBOX
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