140字小説 Vol.10

「オナホ貸してよ」
「いいよ」
次の日、友人からLINEが届いた。
『お前ふざけんなよマジ』
『何が?』
『何でオナホにタバスコ入れた?俺なんかした?股間の灼熱が止まんねぇんだけど』
俺は戦慄していた。先日、同棲している彼女を怒らせてしまったのだ。人柱となった友人に、俺は感謝した。

タイトル:【タバニー】


放課後、お化けエレベータにみんなで乗りにいった。
重量制限に達してないのにブザーが鳴るらしい。
きっと、幽霊が一人乗ってるって噂だった。

そして、確かにブザーは鳴った。
一目散に逃げる友人達。
溜息をつくと、僕はパネルの重量制限部分に張られた偽シールを剥がし、エレベータを降りた。

タイトル:【チープトリック】


俺は子供嫌いだ。
常に泣くし喚くし我が儘だし、正直に言って嫌う要素の塊でしかない。姉夫婦が事故で他界して、遺された幼い姪を引き取ってからは地獄だった。

そんな日々も今日で最後だ。純白のドレスを着た姪が口を開く。
「今までありがとう、お父さん」
人前で泣いたのは、子供の時以来だった。

タイトル:【親子】


『もしもし?今、402号室の前にいるの』
スマホの位置情報をオンにしてれば使えるホラー系ジョークアプリ “メリーさん”
段々近づいてくるcallを面白がっていたが、ふと思った。
(なんで、位置情報だけで俺の部屋の番号までわかったんだ?)
再びcallが鳴る。
「もしもし?今、アナタの後ろにいるの」

タイトル:【ホンモノ】


医者を辞めた理由?
いや、別に激務とか人間関係じゃない。
忙しいのは好きだったし、人から感謝されるのは良い気分だった。
強いて言えば…虚しくなったからかな。
あれは、例年より暑い夏だった。
治した患者が、退院した翌日、自殺したんだ。
退院する時の、彼女の笑顔は、今でも忘れられない。

タイトル:【見えない傷】


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これら140字小説はどのように発想し、どのような工夫を込めて140字以内におさめているのか、pixivFANBOXにて作品毎に解説するコーナーを開設しました。

もしご興味があれば、覗いてくださると嬉しいです☺

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