「オナホ貸してよ」
「いいよ」
次の日、友人からLINEが届いた。
『お前ふざけんなよマジ』
『何が?』
『何でオナホにタバスコ入れた?俺なんかした?股間の灼熱が止まんねぇんだけど』
俺は戦慄していた。先日、同棲している彼女を怒らせてしまったのだ。人柱となった友人に、俺は感謝した。
タイトル:【タバニー】
放課後、お化けエレベータにみんなで乗りにいった。
重量制限に達してないのにブザーが鳴るらしい。
きっと、幽霊が一人乗ってるって噂だった。
そして、確かにブザーは鳴った。
一目散に逃げる友人達。
溜息をつくと、僕はパネルの重量制限部分に張られた偽シールを剥がし、エレベータを降りた。
タイトル:【チープトリック】
俺は子供嫌いだ。
常に泣くし喚くし我が儘だし、正直に言って嫌う要素の塊でしかない。姉夫婦が事故で他界して、遺された幼い姪を引き取ってからは地獄だった。
そんな日々も今日で最後だ。純白のドレスを着た姪が口を開く。
「今までありがとう、お父さん」
人前で泣いたのは、子供の時以来だった。
タイトル:【親子】
『もしもし?今、402号室の前にいるの』
スマホの位置情報をオンにしてれば使えるホラー系ジョークアプリ “メリーさん”
段々近づいてくるcallを面白がっていたが、ふと思った。
(なんで、位置情報だけで俺の部屋の番号までわかったんだ?)
再びcallが鳴る。
「もしもし?今、アナタの後ろにいるの」
タイトル:【ホンモノ】
医者を辞めた理由?
いや、別に激務とか人間関係じゃない。
忙しいのは好きだったし、人から感謝されるのは良い気分だった。
強いて言えば…虚しくなったからかな。
あれは、例年より暑い夏だった。
治した患者が、退院した翌日、自殺したんだ。
退院する時の、彼女の笑顔は、今でも忘れられない。
タイトル:【見えない傷】
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