140字小説 Vol.54

「皆は、無人島に1つ持っていくとしたら何を持っていく?」
それぞれ色々な答えを返す。
ライター、ナイフ、釣り竿、銃…
「俺はこのマフラーだね」
「なんで?」
「彼女が手で編んでくれたんだ。これさえあれば、心は折れないよ」
よく見ると、ラベルが切り取られてるみたいだが、黙ってる事にした。

【信じる者はすくわれる】


昔に付き合ってた彼女曰く、俺はイビキがひどいらしい。マッチングアプリで知り合った女性とそろそろ付き合えそうなので、治せるなら治したい。まずはどの程度かと、寝ている俺のイビキを録音する事にした。翌朝聞いてみると、女の声がずっと、ボソボソと入っていた。妙に、懐かしい声だった。

【未練】


慚愧に耐えませぬ。
よもや影武者たる私が生き残り、殿が暗殺されてしまうとは…。
「やむを得なし。影武者よ、今日からそなたが殿として生きるのだ」
「出来ませぬ!影武者である私に、殿の代わりなど!」
「なに、心配はいらぬ」
重臣は笑いながら言った。
「先代の殿も、全く同じ事を申しておった」

【不死殿】


最近、家のwi-ifがやたら重い。もしやと思ってパスワードを変えたら軽くなった。おそらく、お隣さんがウチの電波を使って動画でも見てたんだろう。

後日また重くなった。もしやと思って問い詰めたら、お隣にパスワードを教えてるのは息子だった。wi-fi使用料として、月千円をお隣から貰ってたらしい。

【お小遣い稼ぎ】


「泥棒ー!誰か捕まえて!」
私が叫ぶと、通行人の男性が泥棒を取り押さえてくれた。
「失礼、僕は先を急ぐので…警察が来るまでこうしておきましょう」
彼は鞄から縄と手錠と目隠しを取り出すと、泥棒を縛りあげ、ガードレールに繋いだ。彼は笑顔で去っていったけど、目は笑っていなかった。

【捕まえるべき人】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

盗撮され、それをネタに脅されている女子高生。
絶望から自殺を図る彼女に、通りすがりの男は言った。
「そのデータ、なんとか出来そうだ」
ハッカーを自称するその男は、有無を言わさず、事態の解決に乗り出した。
男の依頼のもと、集結するハッカー仲間。
女子高生は、次第に期待を膨らませる。
彼らなら、本当になんとかしてくれるかもしれないと。

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