140字小説 Vol.53

「住宅街にも、最近じゃ防犯カメラが増えたなぁ」
ずっと見張られているようで良い気分はしないが、安心と言えば安心だ。
なのに、日課のランニングに行ってる間に空き巣に入られた。たかが30分だから、いつも面倒で鍵をかけていなかったのだ。見ると、家の前の防犯カメラが1つ、無くなっていた。

【木を隠すなら森の中】


母校で、旧友たちとタイムカプセルを掘り出し、皆で開いた。
「聡君は何入れてたの?」
「昔、君に渡せなかった物だよ」
聡はカプセルの中から小箱を拾い上げる。開くと、手作りの拙い指輪が入っていた。
「僕と結婚して下さい」
「ふふ…もう1度、式も挙げる?」
彼からの、2度目のプロポーズだった。

【2つ目の指輪】


こんな惨めな新郎がいるだろうか。
なぜかって、俺側の友人席は、全員レンタル友達だからだ。席を埋める程の友人なんて俺にはいない。スピーチをしてくれる親友もレンタルだ。俺との架空の思い出を語る姿に、涙が出そうになる。結婚2年目にして知った事だが、妻の側も、全員レンタルだったらしい。

【似たもの夫婦】


「組長、ウチの組員が殺し屋〝ルシファー〟に殺られました…」
「クソッ!またあの中二病野郎かッ!」
「ですが、腕は確かッス。調べようにも、奴の顔を見て生き残ってる奴がいないんスよ…」
「うるせぇ!必ず捕まえてぶっ殺せ!ところでおめぇ、見ねぇ顔だな。新入りか?」
「ルシファーと申します」

【中二病末期患者】


「失礼、警察です。貴女の恋人に殺人容疑がかかっておりまして…」
「え?」
「逃走中の彼について、お話しを聞かせていただきたく…」
ショックで茫然とする私を見かねて、刑事達は質問もそこそこに帰っていった。
彼が…殺人鬼だったなんて……探されちゃう…彼をもっと遠くに…埋め直さないと……。

【独占欲】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

持ち主を亡くしたTwitterアカウントは、永遠に更新されない。
そのはずだった。
交通事故で亡くなったクラスメートのTwitterアカウントが、ある日、投稿を再開した。
まるで、今も生きているかのように。
調べれば調べる程、他人にも乗っ取りにも不可能なその投稿の数々に、不気味さが増していく。
誰が、どうやって投稿しているのか。
あるいは、本当に、幽霊の仕業なのか。

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