140字小説 Vol.52

アパートに帰ると、お隣の男子大学生が自室の前で体育座りしてた。
「鍵無くしたの?」
「いえ、終電逃した女友達を中に泊めてるので」
「それで君は外に?紳士過ぎない?」
「いえ、せめて床に寝せてって頼んだら『ダメ』って…」
「え、女の子に追い出されたの?」
「はい。そんな所に惚れたんです」

【好みのタイプ】


『Bot確認です。以下の問いに答えて下さい』

「なんだ?全問簡単な算数じゃないか…むしろBotの得意分野だろ」
選択肢の中から回答を選ぶ。
「…待て、全問答えがAになっちまった…どこか計算ミスってないか?」
暫く悩んでると画面が切り替わり、次に進めた。俺はBotじゃないと判断されたらしい。

【人の性質】


「ここ、97行目でネストさせてるfor文に } が1つ足りないのがcompileエラーの原因だよ」
「本当だ…」
「ふぅ…家に仕事を持ち帰らないでよパパ」
「悪いな。今時は小学校でプログラミングを習うそうだが、既にパパ以上だな」
「僕なんか全然だよ。1番凄かった子の家には、この前FBIが突入してたもん」

【IT革命】


「ドラ〇えもん、日誌なんてつけてるのか…ちょっと見ちゃえ」

【1月5日】
の〇太君の経過は非常に順調。今回こそセワシ君の未来を変えられそうだ。タイムマシンで戻る度、〇び太君の『初めまして』を聞く事に僕はもう堪えられない。どうか…今回こそ…

「……表紙の〝81回目〟って、もしかして…」

【使命を果たすまで】


戦友の戦死報告を受けても、彼は眉1つ動かさなかった。
「お前、何も思わないのか?」
「当然だ。もう慣れたよ」

そんな彼だが、死んだはずの戦友と再会できた時、別人のように泣いていた。

「安心したよ。お前も人の子だったんだな」
「…生還してくれる事には、まだ慣れてないだけさ」

【耐性】


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これら140字小説はどのように発想し、どのような工夫を込めて140字以内におさめているのか、pixivFANBOXにて作品毎に解説するコーナーを開設しました。

もしご興味があれば、覗いてくださると嬉しいです☺

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