ドラマ版「ミステリと言う勿れ」で削除された原作の台詞について

田村由美さんの漫画「ミステリと言う勿れ」が、菅田将暉さん主演で実写ドラマ化されました。

田村由美さんの作品は、前々作のBASARA、前作の7SEEDSも全巻読んでおり、大ファンです。

さっそくドラマ1話目を観たのですが、原作からカットされた台詞があるとのことでした。

「一体、どれの事だろう?」と調べてみると、それは主人公・整君が、彼を尋問する刑事が漏らした愚痴に対し、とある説を伝えるシーンでした。

その刑事の愚痴とは、可愛がってた娘から最近、「臭い」「ウザい」と言われ、育て方を間違ったと嘆く内容です。

主人公が伝えた説とは、「良い歳頃になった娘さんが、父親を〝臭い〟などと言って敬遠するのは、自然なことであり、真っ当に育っている証拠」という旨でした。

私は原作漫画も最新刊まで読んでるのですが、その台詞の何がいけなかったのだろう?と調べると、ドラマ化前、原作当時から既に物議を醸していたようですね。

色々な意見がありましたが、その論拠としては主に、「その刑事が本当に娘から敬遠されてしかるべき悪しき父だった可能性を無視している」というものでした。

私は、「そうなのだろうか?」と思いました。

整君は、ただそういう説が在るという事実を述べたまでで、そこに賛も否も無いのでは?と思いました。

ですが、うろ覚えだったので、該当箇所を読み直しました。

すると、整君は「なので、あなたはしっかりと父として娘と向き合ってきた。娘さんは正しく育っている。これは、そういう良い話です」と、その刑事を擁護しているのですね。

「あぁ、物議を醸した理由はこれなのか」と思いました。

確かに、この台詞は一歩、踏み込み過ぎかもしれません。

なにせ、整君からしたら、その刑事が娘にどのように接していたのか、その実態はわかるはずがないからです。

作中の描写を見ると、その刑事は女性の同僚に大変失礼な台詞を吐き、娘さんに対しても「かわがってやったのに」と、高慢な態度が見受けられます。

その刑事が娘さんに敬遠されるのは、説に関係なく、自業自得かもしれません。

そう言う意味で、確かにその刑事個人を擁護した台詞は、早計と言わざるを得ないかもしれません。

他にも、いくつかお茶の間に流したら物議を醸しだしそうな部分もありましたが、整君の性格上、そんなのを抜き出したら数えきれませんし、なにより文脈を無視してそこだけを抜き出すのはフェアではないため、ここでは控えます。(今更かもですが…)

私は田村由美さんと、「ミステリと言う勿れ」の大ファンですが、物議の理由は確かにその通りだなと思いました。

ですが、整君が時に早計だったり、間違った説を唱えたり、主張するのは、至極当たり前の事だと個人的には思います。

常に満点の人間なんてこの世にいない以上、漫画の中のキャラは、主人公でさえ時に間違える方が、ずっと人間味があって、リアルです。

実際、作中でも整君は時々、諭され返されたり、素直に自分の非を認めるシーンがあります(そういう所が、大好きです)

ただ、キャラの間違いは〝意図された間違いであるべき〟という背景があるのかもしれません。

例えば、キャラに決め台詞や論破シーンでキメさせておいて、「いや、それはおかしくないか?」と突っ込みどころがあれば、キャラ(人間)としてはおかしくなくても、読者としては興醒めもいいところです。

その案配が、モノを作る側としては大変に難しく、恐ろしいところの一つかもしれませんね……。

私も、アマチュアながら物語を作ってる以上、気を引き締めたいと思います。

などと、ここまで語っておきながら、ドラマから台詞が削除された理由は全然違うかもしれません。単に尺が足りなくて、たまたま削除されただけかもしれません。その上で、参考程度に読んでもらえたら幸いです。

なにはともあれ、私は原作も大好きですし、ドラマ版も台詞調整の英断に加え、ドラマならではの映像演出や俳優さんたちの演技に魅入られたので、どちらもこれからも1ファンとして応援させていただきたく思います。

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