140字小説 Vol.48

映画館で映画を観てると、隣の席の男が、俺の手を握ってきた。ホラーだし、きっと怖くなったんだろう。俺はその手を握り返してあげた。俺達は恋人繋ぎをしたまま、映画を最後まで観た。
うん、途中で気付いてた。
どうせ逆隣の彼女と間違えたんだろう?
見ると、男の逆隣には、誰も座っていなかった。

タイトル:【(゚д゚ )】


コンビニ強盗は銃を突き付けた。
「金を出せ」
「お客様、大変です!」
「あ?」
「銃にセーフティー(安全装置)がかかったままです」
強盗は鼻で笑う。
「そうやって隙を作ろうってか?クラシカル(古典的)だな…その手には乗らねぇよ」
強盗は勝ち誇り、続けた。
「モデルガンにそんなモン無ぇからな」

タイトル:【ルーキー(新人)】


幼馴染と俺の中身が入れ替わって5日になる。いつになったらお互いの体に戻れるんだろう。
「お母さん。俺…あ、私 今日 晩ご飯いらないから」
「懐かしいわね」
「?」
「覚えてないわよね。アンタ小さい頃、1人称をよく間違える時期があったの」
もしかして…
今、俺達は入れ替わってるんじゃなくて…

タイトル:【入れ戻り】


ある日 知り合いに頼まれた。
「この蟹を道端にセットしてくれない?」
特定したいSNSのアカウントでもあるんだろうか。今じゃすっかり有名な手口だ。
「自分でやれよ、なんで俺?」
「いやー、蟹をセットする男を現行犯で見つけた…ってネタでバズり狙おうかと思って」

俺は、色んな意味で怖くなった

タイトル:【承認欲求】


道端に『徳』と書かれたバッジが落ちてて、バズってる投稿を見つけた。きっと、その偶然性とメッセージ性が合わさる事で、多くの人の心を打ったんだろう。

「じゃあ、これの『夢』版でもバズるんじゃね?」

ネットで必死に『夢』と書かれたグッズを探してる内に、急に涙が出て来た。何してんだよ俺。

タイトル:【落とし物】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

「君に、この密室殺人の謎を解いて欲しい」
突如、同居人のハッカーに、謎の解決を依頼された女子高生。
被害者は、同居人の妹。
事件は一年前。
犯人は、未だ捕まっていない。
容疑者は、かつて、女子高生の窮地を救ってくれたハッカー集団。
誰が、なぜ、どうやって、同居人の妹を殺したのか…。
謎を解決した時、彼女は、自身のトラウマと向き合う事になる。

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