140字小説 Vol.47

〝独りが好きな人〟オフ会に参加してきた。
店を貸し切り、全員独りで座り、黙々と酒と食事を楽しむ会だ。勿論、話しかけるのはご法度。沈黙に始まり、沈黙に終わる。

そんなオフ会も、今や参加しているのは俺だけだ。俺は〝蟲毒〟の作り方を思い出しながら酒を飲んだ。毒のように、美味い酒だった。

タイトル:【蟲毒の味】


カーテンを開けると、清々しい快晴だった。
珈琲に蜂蜜を入れて飲むのが私の朝のルーティンだ。カップ片手にLINEを返しながら部屋に戻る。ベッドにスマホを投げた直後、珈琲の方を投げてしまったと気付いた。
「あ~あ…」
まぁいっか。どうせ血だらけで処分しようと思ってたベッドだし。中身と一緒に

タイトル:【清々しい朝】


「子供も巣立って定年迎えると、やる事が無くなるな」
余生を持て余してた俺は、実家で古い荷物を整理していると、描きかけの絵を見つけた。
そうだ。
絵描きになりたかったけど、親に猛反対されて、泣いて、そのままにしていた絵だ。俺はその続きを描く事にした。子供の頃に描いた、夢の続きを。

タイトル:【夢の続き】


映画館で映画を観てると、隣の席の男が、俺の手を握ってきた。ホラーだし、きっと怖くなったんだろう。俺はその手を握り返してあげた。俺達は恋人繋ぎをしたまま、映画を最後まで観た。
うん、途中で気付いてた。
どうせ逆隣の彼女と間違えたんだろう?
見ると、男の逆隣には、誰も座っていなかった。

タイトル:【(゚д゚ )】


「小説の原稿、読んだよ」
「……」
「良かったよ。最後に、主人公がヒロインにフラれる以外は」
「……」
「昔からそう。君って、自信の無さが、作品にまで出てるよね」
「……」
「告白の返事、まだしてなかったよね」
「……」
「1つ、条件があるの」
僕は、小説のラストをHappy Endに書き換えた。

タイトル:【口下手】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

盗撮され、それをネタに脅されている女子高生。
絶望から自殺を図る彼女に、通りすがりの男は言った。
「そのデータ、なんとか出来そうだ」
ハッカーを自称するその男は、有無を言わさず、事態の解決に乗り出した。
男の依頼のもと、集結するハッカー仲間。
女子高生は、次第に期待を膨らませる。
彼らなら、本当になんとかしてくれるかもしれないと。

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