140字小説 Vol.46

妻と録画番組を見てると、画面の中で仮面の催眠術師が芸人を眠らせた。
「今のシーン 巻き戻せるか?」
目を凝らすと、恐ろしく速い手刀が、芸人の首筋をとらえているのが見えた。つまり、インチキだ。
「俺でなきゃ見逃しちゃうね」
突如 首筋に衝撃が走り、意識が遠のいた。
「勘の良い夫は嫌いよ」

【夫の本業×妻の副業】


「お前って母親と2人暮らししてたよな」
「…あぁ」
「結婚して出てかないの?」
「結婚願望、無いから」
でも、と男は続けた。
「1度だけ、独身を辛いと感じた時がある」
「いつ?」
「いつだと思う?」
「そうだなぁ…結婚式に呼ばれた時とか?あ、友達の子供を見た時か?」
「母を亡くした時だよ」

【孤独の覚悟】


シゲルは、ゲームのボス戦で負けそうになると、すぐリセットする困った奴だった。

そんなシゲルが受験に落ちたらしい。家に行くと、シゲルは意外と元気そうだった。でも、机の上の新品のカッターが気になった俺は、それを盗んだ。

大人になって、同窓会で彼にこう言われた
「あの時は、ありがとう」

【コンティニュー】


「N〇K受信料の集金です」
「ウチ TV無いんで」
「嘘。一緒に住んでたんだからわかるよ」
「君が出てってから、捨てちゃったんだよ」
「どうして?」
「…このTVで一緒に映画とか見てたなぁ…って思い出すの、辛くて」
「…また一緒に、映画見よ?」
後日 一緒にTVを買いに行った。
受信料は払わされた

タイトル:【公私混同】


「予告通り 今日 お前の命を取り立てる」
死神が鎌を振り上げるのを見て、俺は目を瞑る。
「あぁ。おかげで、人生で最も充実した1年間だったよ」
「どうだ?まだ『死にたい』か?」
「…いや、生きたい」
俺の頬を、一筋の涙が流れた。
「今までのお前は 今 死んだ」
目を開くと、死神の姿は無かった。

【誕生日】


【長編ミステリ小説 出版中】
価格:250円
読了時間目安:2~3時間

持ち主を亡くしたTwitterアカウントは、永遠に更新されない。
そのはずだった。
交通事故で亡くなったクラスメートのTwitterアカウントが、ある日、投稿を再開した。
まるで、今も生きているかのように。
調べれば調べる程、他人にも乗っ取りにも不可能なその投稿の数々に、不気味さが増していく。
誰が、どうやって投稿しているのか。
あるいは、本当に、幽霊の仕業なのか。

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